断食をして痩せなかった。
たまにこういったことを聞くことがあります。
断食をして痩せないなんてことはほぼあり得ません。断食をするとほぼ確実に、間違いなく痩せることができます。
痩せることができると言うよりは、身体の仕組み上そうならざるをえないと言えます。
断食で痩せる、痩せないの根拠を知るためには身体の脂肪が増減する仕組みを考えていくことにしましょう。
こうやって脂肪は付いていく
身体に脂肪が付いていく仕組みはとても興味深く意外でもあります。
あなたはどのようなことをすると太ると思いますか?
通常一般的に言われていることを並べてみましょう。
- 甘いものを食べ過ぎる
- ご飯などの炭水化物を食べ過ぎる
- 油っこい物を食べ過ぎる
- 肉などのタンパク質を食べ過ぎる
- お菓子を食べ過ぎる
- 運動不足
実は今ピックアップした物のうち、太ることに繋がるのは3つだけなんです。
通常は6つ全てに問題があると思われていますが、「太る太らない」に限定するとそうではない。
当然「健康か不健康か」で分別すると当然全て不健康には繋がることではありますが、今回はあくまで太る過程に絞った視点です。
ピックアップされた5つのうちの太ってしまう3つの原因とは
まずは正解を見てみましょう。こちらが過ぎてしまうとどんどんと体重を増やしていくこわーい原因です。
「甘いものを食べ過ぎる」
「ご飯などの炭水化物を食べ過ぎる」
「お菓子などを食べ過ぎる」
ここに油っこい物を食べ過ぎるという答えが入っていないのは意外だと思いませんか?
実際に体重を増やしていく主な原因は総じて「糖質の摂り過ぎ」にあります。もちろん油物を食べ過ぎても多少の中性脂肪は付いてしまうことになりますが、あくまで多少です。脂質だけで太ることは難しいとされています。
太る3つの原因に共通するのは全て糖質だということ。
糖質というのは砂糖などのフルーツに含まれる果糖(フルクトース)は「単糖類」、砂糖(ショ糖)などが該当する「二糖類」、デンプンなどに該当する「多糖類」この3つが該当します。
果糖は中性脂肪へ直行
糖質がどのように脂肪になっていくのかを考えてみましょう。
まず、果糖については脂肪に直行です。人の身体は果糖をエネルギー源として使うことができない仕組みになっています。身体は果糖を吸収すると、利用することができないので、一旦全てを中性脂肪へと合成し、それからやっとエネルギー源として利用できるようになります。つまり、果糖は確実に太る要因となります。
炭酸飲料などの清涼飲料水の糖質は全て「果糖ぶどう糖液糖」という甘味料で、果糖ですから中性脂肪へ直行という訳ですね。清涼飲料水は太ると言われている原因はまさにここにあります。
砂糖やデンプンなどの炭水化物もほとんどが中性脂肪へ
続いて砂糖とデンプンなどについて考えてみます。砂糖とデンプンなどは咀嚼と消化液などで分解され、ブドウ糖となり小腸から吸収されます。ブドウ糖となった糖質は血液によって体中へと運ばれます。血糖値が上がるのはまさにこの時ですね。
ブドウ糖は脳のエネルギーとして一部利用され、インスリンの働きによって、さらに一部は筋肉にグリコーゲンとして貯蔵されます。
しかし、食べ物から摂取したブドウ糖はエネルギーとして使い切るにはあまりにも多過ぎる為、余ったブドウ糖はインスリンが全て中性脂肪へと合成してしまいます。
ブドウ糖は身体に必要なエネルギーですが、そのほとんどは身体に備えられている脂肪やアミノ酸から「糖新生」という働きによって作られており、糖新生から作られるブドウ糖の量でも活動するエネルギー源としては十分だと言われています。
食事で摂取する必要性はあまりないということですね。
断食をすると糖質が断たれる為脂肪を燃料にする
断食をすると何故痩せていくのか、痩せていかざる得ない理由は何か、という点においては「身体に糖質が入ってこなくなる為」となります。
こうなると身体は脂肪だけがエネルギー源となりますから、脂肪を分解して利用せざるを得なくなります。人の身体は何もしていなくとも、思っている以上にエネルギーを消費しています。
断食中は脂肪を一日でおよそ1kgのペースで利用していきますから、日数×kgずつ体重が減るという訳ですね。
断食で痩せていかざる得ない理由はまさにここにあります。物を食べなければ身体のエネルギー源は脂肪しか無い訳ですから、脂肪が減らないということはあり得ません。
断食で痩せるのか心配だという方もいらっしゃるかもしれませんが、安心してくださいね。